ひとりごと(29)

今年もあとわずか
あっという間の一年と言いつつ、様々な出来事があった。


私は、戦争がこわい 


幼い頃、従姉妹たちと大きな蚊帳の中で聞かされた母の話。

B29戦闘機から雨のように降り注がれた
焼夷弾の中を走ったこと、
一緒に伏せた隣の人は、
二度と起き上がることはなかったこと。

女学校の授業は、ドラム缶の溶接になったこと。

原爆で亡くなった息子さんを持つ方が、
骨の一本もないと泣いていらしたということ。 


こわかった、幽霊の話よりこわかった。
やめてと言うのに話すのを止めなかった母のせいで、
私はひとり蚊帳から出て吐いた。


戦争がこわいのは、死が怖いからなのか。
いや、それとは違うこわさがある。


今朝、JALのパリ便がしばらく休止されると聞いた。
テロによる予期せぬ『死』を強いられたたくさんの犠牲者、
自爆テロは、信仰ゆえの行為で他人の命を奪う。


こわい


今年は、ずっと書けないでいた「ひとりごと」
平和がいいなあ


大地のようにゆったりした心で日々過ごしたい。
でも、ゆったりしているのは体格だけだ。
元気で生かされていることに感謝したいと思うのに、
日々、何かしら不満でイラッとする自分に落ち込む。


  笑う門には福来たる。


良いお年をお迎えくださいませ。
来年もどうぞよろしくお願いいたします。

2015年12月16日