ひとりごと(27)

2014年6月16日もう今年も半年過ぎた。
朝日新聞の連載に
当時の漱石「こころ」原文そのままが登場している。
月曜から金曜まで読むのが楽しみだ。
学生の頃、これが一番好き!と思った作品だが、
どの部分が好きだったのか今よくわからないが、
未だに読まずにはおられない何かがある。

北九州八幡でずっと油絵を描いて下さった
芦馬治雄先生の作品展が直方谷尾美術館にて
6月22日まで開催されている。
ギャラリーやすこうちでも企画展をさせて頂いた
大好きな画家。
八幡市民会館での回顧展にもお伺いしたが、
今回またじっくり作品を拝見して作品の凄さを感じた。

繊細で、優しくて、美しい作品の中で、
先生がずっと持ち続けられたであろう心の芯は、
描いても描いても、描き足りなかったのではないだろうか。
ほとばしるような熱情とやりようのない虚しさ、
悲しさそして祈るような気持ちと感謝。

絶筆となったペーバータオルに描かれた3枚のデッサン、
ローマ字ashimaのサインもいつものように美しかった。
あらためて私は芦馬治雄の画に感動できて嬉しい。

信用金庫を退職された、
先生に生活の不安もあったにも関わらず、
ヨーロッパ旅行を勧められた悦子夫人にも感謝である。

何が欠けても北九州八幡東区に生まれた画家芦馬治雄は、
存在しなかったのだから。

2014年6月16日