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展示会情報 常設展示 ひとりごと
   

 

夏の終わりにたくさんのエネルギーをもらった。残暑、残暑だと言うたびに、暑さに負けていた日常だったのに。

美術館のほのかな照明の中に、憧れの大空間に、ひっそり、あるいは堂々と生きている作品のお陰だ。炎天下にもかかわらず歩き回って不思議な建物や空間と出会えた。

本物は、やはりすごい。

一日目、安河内と福山駅からローカル線で笠岡駅に降り立った。長年訪れたかった 小野竹喬美術館 を訪れた。

海と夕日、空、薄(ススキ)、山、木々。深い青、優しい青、不安げな青、燃え立つ緑、力みなぎる緑、寂しげな茜色、やはり素晴らしい。疲れていないのに、ため息が出る。

たまたま開催されていた企画展作品も繊細な描写に引きこまれてしまった。
稲垣仲静、ふと伊藤若沖の描くどこか凄みのある木々を思い出した。精悍で美しい《豹》と妖しげな《花魁》の微笑み。若くして亡くなった画家の晩年の作品が見たい気がした。

倉敷へ。
10数年ぶりの大原美術館。あらためて、大原一族の太っ腹と
児島虎次郎の活躍に感謝。当日は夏休みの為、たくさんの小学生が美術館主催のツアーに参加していて静寂ではなかったが、エル・グレコやモネや棟方志功・・・たくさんの作品から出るオーラがいつか彼らの未知なる力を引き出してくれるかもしれない。

美術館巡りの後は、なつかしい喫茶『エル・グレコ』へ。
初めて来たのは、30年以上前だ。安河内としばし、外壁にからまる蔦に憩う。(お願い出来るなら、ビュッフェの『アナベルの像』と竹喬の作品を一点。ギャラリーに飾ってみたいです。)

明日は、直島ベネッセ美術館へ。(次回へ続く)

 

※ 小野竹喬(おの ちっきょう) 1889年(明治22年)11月20日 - 1979年(昭和54年)5月10日)は、大正・昭和期の日本画家。
※ 稲垣仲静(いながき ちゅうせい・1897-1922)は、細密描写と不気味な官能表現で一瞬ながら強烈な輝きを残した日本画家。



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