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同級生から新年のご挨拶を失礼しますという葉書が届いた。

「夫」という文字に
一瞬水の中で浮かんでいるような感覚を覚えた。

あの、ご主人が!!! 
まだお互い若かったころ、
新築した彼女の家に遊びに行き、
手料理をふるまってもらった時のことが
鮮明に浮かんできた。

料理上手な彼女の作ったお吸い物を一口吸った後、
これは上手く出汁が取れてると
先生みたいな口調で仰った。
25年以上前のことだ。

彼女からは、
彼の写真を一度見せてもらったことがあった。
長身に似合う白のマフラーを
コートのうえからさらっと巻いて
スターみたい!と言ったような気がする。

新築した家を案内して下さったご主人、
お風呂も広くご自慢だった。
「風呂に入って帰ればいい」と
普通に言われた私たちは、本当に
初めて会ったご主人に勧められるまま、
夕食を頂いて、家族4人(当時)で
お風呂を頂いた。
図々しいというか、
言葉を真に受けるというか・・・

懐かしい思い出だ。

伴侶が、亡くなった彼女にはまだ電話出来ない。
思いつくままに手紙だけ送った。
来月、あのお風呂をいただいたお宅に
お参りに行きたいと思っている。

毎日を大事に生きよう。
いつ命が、ふっと消えても
「まあまあ楽しい人生だった」と
思えたらいいなあ。


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