通勤途中のバスのフロントガラスに雨粒が！
でもワイパーは動いていない。
今日は、とても寒いという予報を信じ、
分厚いダウンコートを着込んで家を出た。
夕方から雪に変わってはたまらんと万全の寒さ対策である。
が、雨？・・・

道行く人も傘はさしていない、
大丈夫だ、きっとバスは出発前に洗車して
その後が残ってるんだわと自分に言い聞かせながら
前方のフロントガラスを見つめる。

バス停を過ぎるごとに、側面の窓ガラスにも水滴・・・
雨ではなく霙（みぞれ）だ。

祈る。
あと１５分降り続けたら止んで下さい。

早めに家を出るから、時間はたっぷりある。
予定外だが、久々にコーヒーを飲むことにする。
きっと止むと信じたい。

窓際に座って、行き来する人たちを観る。
みんな傘をさして歩いて行く。
一人、傘なしさんが帽子を深めにかぶり、走った。
私は、走れないわ。

霙、止んで下さい。

遠くから傘をさしてくる婦人が見える。
ちょっと立ち止まり、天を確認、傘をたたんだ！

私もそばの水たまりを確認、雨の輪は出来ていない。
急いで、コーヒーカップに蓋をして店を出る。
奇跡はあるなあ・・・などと思いながら速足で急ぐ。

空を見上げるとなんだか
ものすごく感動的なシーンのような気がした。
単純だから、すぐに感動する。
だから、今こうしていられるような気もする。

携帯を取り出して、空を撮った。

その瞬間、へんな感覚。
一直線におちる滝のように・・・ 右半身、靴まで
琥珀色ではなくミルクコーヒー色に染まった。
いつもはブラックコーヒーなのに、
今朝は何故かラテにしたのが悲しい。

プラスチックの蓋、ちゃんと閉めたはずなのに。

なにやってんだか！
それでもなんだかちょっとおかしいと思えるから
今日はいい日だ。

いつもなにかに感謝できる人でいたいと思う。

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