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展示会情報 常設展示 ひとりごと
   

 

またまた台風が近づきつつある日本列島。
伊豆大島の被害の大きさに心が痛む。
それでも日々、それぞれが生きていく。

私もまた意図的にではあるが、ハイテンションな日々。

 

10月12日
ぎりぎりで草間彌生作品と会いに大分美術館に訪ねた。
若かりし頃、ニューヨークで
鳩の餌を食べることもあったような生活をしていたと
以前聞いたことのある草間彌生さん。
ドット模様のかぼちゃは、あまりにも有名だが
それだけじゃない彼女の頭の中を少しだけ
覗けたような気がした。

抽象的な模様や点、アメーバのような静物、
様々な色で描かれた、会場一面の壁面を覆う
巨大スカーフのような画が数十枚。

描いても、描いても、
泉のように画が浮かんでくるのだろうか。

ほっとしたくて、帰りは別府の老舗パン屋さんの
わんこパンを買い、
安心院のサファリ入口の象を見に行った。

別府の古美術商をふらっと訪ねたが外出中。
今回は、ご縁がなかったようだ。
頭がドット模様でない時にまた、お伺いしたいと思う。

 

10月18日(金)
明日から、企画展という午後。
少しだけ要領の良くなった私は、早々に展示を完了して、
北九州市立美術館へ。
藤田嗣治渡仏100周年記念展、
これもまたぎりぎりで走り込んだ。

イメージだけの《レオナール・フジタ》から、
パリで生きていた藤田嗣治と言う
人をちょっと好ましく感じた。

日本で待つ妻への手紙の流暢な文章、筆跡もとても好きだ。
いつも駆られる衝動だが、
パリのホテルオデッサに行ってみたいと思った。
昔(私が30代の頃)、
常盤新平氏の《ニューヨーク遥かに》という小説を読んで
その年にニューヨークに初上陸したことを思い出す。
いい思い出だ。

藤田嗣治を取り巻く様々な人々もすごい。
ルソーにピカソ、キスリング・・・
私は、どうも東洋と西洋の年譜が上手く重なりあわずに、
藤田嗣治と西洋の画家たちが
同じ線上で生きていたとわかると驚愕する。
地球は、ひとつで時間は同じように流れているのに。

今も残るアトリエで当時のパリを感じてみたい。

たくさんの作品を観た。
レオナール・フジタの大和絵も初めてだった。
猫と少女と自画像のイメージとは違った。
私の乏しいイメージを反省。

印象に残っているのは、
(単に好きだった)「ロジータ・ド・ガネイ伯爵夫人の肖像」
「3人の踊り子」である。
踊り子を見て、
何故かほわっと幸せな気分になれたように思った。

芸術は素晴らしい。

帰り際、美術館の駐車場に向かう途中に
小さな花に目が留まった。
「四季桜」控えめで美しい花。
マメザクラとエドヒガンの交雑種だそうだ。
俳人杉田久女の長女の方が、
愛知県から寄贈されたこの花にもありがとう。

2013.10.22


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