狩野伊川院栄信筆「月中雁図」絹本 箱有

価格

198,000円(税込)

画家

狩野 伊川院 栄信(かのう いせんいん ながのぶ)

略歴

1775(安永4年)-1828(文政11年)
江戸後期の画家。養川院惟信(ようせんいんこれのぶ)の子。
名は玄賞斎。絵を父に学ぶ。
近世狩野派の名手。水墨に金泥を施す技法に特色を発揮する。
茶道をよくし、松平不昧の恩顧を受ける。
1803(享和2)年、法橋となり、伊川院と号す。
1816(文化13)年、法印に叙せられる。

サイズ

総丈 縦182.5cm 横47cm
画寸 縦97cm 横40cm

状態

美品です。

薄い鳶色の円窓に葦と雁の番(つがい)が描かれています。
葦と雁の取り合わせは、雁が海を渡って遠方に飛来するときに水面で休むための足場にする枯れ葦を口にくわえていくことから、用意周到や準備に抜かりないという意味合いから好まれた画題です。
狩野派をはじめ、様々な画家たちが描いた作品にも、また、焼物や金工作品や衣装の文様としても多数遺されています。
こちらの作品は中央の円窓の上下に余白を広く取り、あたかも空に浮かぶ月の中に雁の姿が見えているような視覚効果を感じさせます。
下方中央に添えられた落款印章の配置にも画家の美的センスが効いています。
簡潔な筆致で決して華美ではありませんが穏やかな優雅さのある一幅です。